青春の味2

 さて、注文したチキンカツの味である。その美味しさは、生涯忘れ得ぬ強烈な味として深く脳裏に刻み込まれている。衣がサクサクで、香ばしく上にかかった自家製ソースと相まって旨味たっぷりの一皿で実に感動的な美味しさだった。  付け合わせのポテトサラダも滋味に富んだ逸品で、鶏肉の美味しさをさらに引き立てた。値段はライス付きで1000円を少し超えていたと記憶する。学食のA定食が120円、月見そばが80…

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青春の味1

 誰にも、忘れられない〝味〟がある。ブリヤ・サバランは「君の好きな食べ物を云ってみたまえ。君がどんな人か当ててみせよう」と美味礼賛のなかで、述べている。  きょうは、実に個人的な青春の味のエピソードをひとつ。  学生時代のことだから、いまから50年近く前の話になる。上京して初めて部屋を借りたのが、渋谷の神宮前だった。  いまでは、瀟洒なビルが立ち並ぶとてつもなく洗練された一等地…

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コロナウィルスのもたらせるもの

 ◎…緊急事態宣言が発令されて以来、取材活動も電話やメール取材が中心となり、ほとんど事務所に閉じこもりの毎日だった。先日、久しぶりに電車で出かけたところ、空席があるにもかかわらず立っている人が目立った。吊革を握る人も少なく、コロナウィルスへの対応が神経質になっていることを実感した。〝蜜〟を避ける新たな生活様式なのだろうが、これからは空席を見つけてもソーシャルディスタンスを目測するのがエチケットに…

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