かまぼこの一口知識14 「大阪かまぼこ」

 かまぼこは、一説によると南方からその原型が流れ込み、関西地区に到達して大きく発展したと考えられています。その理由としては、当時、日本の中心が京都にあったことにより、その台所が大阪であったことで、バラエティー豊かな大阪かまぼこが発展したと考えられます。  大阪かまぼこ  大阪を代表するかまぼこで、蒸したあとで表面を焼いた「焼き板かまぼこ」と、蒸さずに直火で焙り焼く「焼…

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かまぼこの一口知識13 「黒はんぺん」「豊橋ちくわ」

 今回は、東海地区の名産品である、静岡県を代表する「黒はんぺん」と、愛知県を代表する「豊橋ちくわ」について話します。  黒はんぺん  静岡県の中西部地域である焼津、静岡市を主産地とする特産品である。その歴史はかなり古く、江戸時代初期に徳川家に仕えていた戸田半平なる人物が考案したといわれており、この半平という名前がなまって〝はんべん=はんぺん〟となったと伝えられている。 …

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「かまぼこの日」に思う

 11月15日は、かまぼこの日だった。全国の組合、かまぼこ業者が、様々なイベントやセールを展開して、需要期の販促に弾みをつけた。そもそも、かまぼこの日を制定した背景には、これをきっかけに、かまぼこの売行きを好転させたいとの思惑がある。  全国の約1000軒のかまぼこ業者がいっせいに、かまぼこの日に何らかのアクションを起こすことで、マスコミの関心を集め、消費者に、かまぼこという食…

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ペリー来航の歓待料理に「はんぺん」

 ペリー来航の時の歓待メニューが東京大学に残されている。日本橋・浮世小路にあった懐石料亭の百川楼(ももかわろう)が1人100両(約500万円)の予算で請け負った(1人10両とする別の資料も存在する)。  その料理の中に、はんぺんとかまぼこも出ている。他に、鶴の肉とか珍しいものが盛り込まれていた。記録によると、はんぺんや大板かまぼこはメインディッシュだったとされる。百川楼では、よ…

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仙崎かまぼこの伝説はこうして生まれた

 先ごろ、元気モリモリかまぼこ体操の取材のために、山口県宇部に出かけた。山口県内には宇部、萩・仙崎、下関、防府…と高品質の板かまや竹輪の一大生産地が点在しているが、その美味しさは、全国に名を轟かせている。  中でも、仙崎かまぼこの名称は、昔から有名だ。歴史書を紐解けば、しっかりとした経緯が記されているのだろうが、以前、地元の長老から聞いた話しを紹介すると、  仙崎かま…

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かまぼこは郷土の誇り

 先日、銀座の居酒屋で1人酒を煽っていたら、隣に座っていたご夫婦の奥さんから「このお店には、よくこられるんですか」と声を掛けられた。  「う~ん。たまにですかね」と答えて、会話を打ち切ろうとしたが、「かなり、お飲みになるんですか」と続けられて、酔いも手伝い、団塊の世代だというこのご夫婦と会話が始まった。  ご主人は、昭和22年生まれで、吉田類の「酒場放浪記」のファン。パソコン…

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かまぼこの一口知識12 「みりん焼かまぼこ」「なると巻」

 前回に引き続き、名産かまぼこについて話したいと思います。  みりん焼かまぼこ  福井県敦賀地方を主産地とする名産品で、大正末期から昭和の初めにかけて生産され始めたといわれている。その作り方は、すり身を塩摺りした後、調味を行う際にみりんを数%以上加えて板付け成形し、いったん蒸したのち、さらにかまぼこ表面にみりんを塗り付け焼き上げる、蒸し焼きかまぼこの仲間である。  かまぼこ…

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かまぼこひと口知識11 「リテーナ成形かまぼこ」「こぶ巻かまぼこ」

 今回は、日本海側のかまぼこについて話したいと思います。日本海側にもかまぼこの名産品等は数多くあります。  リテーナ成形かまぼこ  四方を海に囲まれた日本にあって、古くから魚食が盛んに行われていましたが、魚は畜肉に比べ鮮度落ちが早く、保存性が非常に悪かった。そこで、魚の保存方法の一つとして考えられたのがかまぼこであった。  近年、かまぼこの保存性をさらに高め広域流通…

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かまぼこひと口知識10 小田原かまぼこ

 前回に引き続き、各地の名産かまぼこについて話すこととします。今回は、小田原かまぼことなると巻について話します。  小田原かまぼこ:小田原蒲鉾の始まりは明らかではありませんが、今から200年以前の天明年間から小田原かまぼこが作られていたようです。当時の小田原かまぼこは、東海道を旅する人々に利用されており、相模湾で漁獲されるギス(オキギス)を主体に、トラギス、ムツ、イサキなどが原料として…

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かまぼこひと口知識9 東京のかまぼこ

 前回に引き続き、各地の名産かまぼこについて話します。今回は、東京を中心に生産される名産かまぼこについて話します。  つみれ(つみいれ):イワシ、サバやサンマなどの赤身魚を主原料として作られるゆでかまぼこのことである。江戸時代に刊行された「守貞謾稿」には、「摘入、つみいれ、京阪にはこれなし」と云う記述があり、江戸時代には、江戸を中心としてすでに作られていたようである。  名前…

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かまぼこひと口知識⑦ 各地の名産かまぼこ

 我々業界人は、「かまぼこ」というとむしかまぼこ、ちくわ、揚げかまぼこなどかまぼこ全体を思い浮かべると思います。しかし、一般消費者に”かまぼこ“はと聞いてみると、ほとんどの皆さんが板かまぼこを思い浮かべるようです。前回は、かまぼこの分類(種類)についてお話ししました。今回は、各地の名産蒲鉾について話すこととします。  今回は東北地区と東京地区を説明したいと思います。  笹かまぼこ…

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かまぼこひと口知識⑥ かまぼこ製品の分類法

 前回は、かまぼこの定義についてお話し、分類まで話せませんでした。今回は、かまぼこの分類(種類)についてお話ししましょう。  かまぼこの分類は、加熱方法による分類と製品の形態による分類とがあります。かまぼこの定義の中でも話しましたが、食品衛生法などの法規の中では蒸す、焼く、茹でる、揚げるなどの加熱方法による分類が多く使われています。  一般には、加熱と形態による分類法が混在し…

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バレンタイン商戦花盛り

 おせち商戦が終わると、のんびりムードが漂っていたのも昔の話。いまでは、年中、○○セールに追われている。  近年では、年が明けるやいなや、2月14日のバレンタイン商戦に向けて、一斉に準備に入る。チョコレート顔負けの色とりどりの可愛いハート型かまぼこが、ネットや店頭に並んでいる。  これにあわせてイベントを企画する企業も少なくない。2月14日を中心に「バレンタイン関連イベント」…

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業界の繁栄なくして企業の繁栄なし

サッカーJリーグを立ち上げた川淵三郎キャプテンは、先ごろ出演したテレビ番組で、イタリアセリエAに移籍して自身の夢を実現した本田圭佑選手について「Jリーグを立ち上げた20年前、サッカーの本場、それも世界一の強豪クラブと称されるACミランのエースナンバー10を背に日本人がピッチに立つ場面があることなど想像さえしなかった。100年経っても無理だと思っていた」と、本田選手の偉業を称えた。  こ…

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かまぼこひと口知識⑤かまぼこ製品の定義と分類

 今回は、かまぼこの歴史から離れて、少し固い話になりますが、かまぼこの定義と分類について話すこととします。  私たち業界では〝かまぼこ〟というと板かまぼこ、ちくわや揚げかまぼこなどすべて含んでいますが、一般消費者の間では、〝かまぼこ〟というと板についてるかまぼこを真っ先に連想するようです。  では、かまぼこの定義について見てみましょう。  業界でいうところの…

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浅草・煮込み通りに「岡虎」「長州おでん」

 正月三が日の浅草は、地下鉄の改札口から混雑が始まる。数珠つなぎの人の後をついて、地上に出れば、まさにラッシュ時の電車の中のような押し合いへし合いの人波が渦巻いている。    雷門の大提灯が下がる仲見世どおりへの進入は、警察官がバリケードを築き「参拝のお客様は、最終列にお並びください」とマイクで誘導している。警察官にしては、やけにソフトな語り口だなと、機動車両の台を見上げれば、例…

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かまぼこひと口知識④ 原料魚の変遷

 北海道水試で冷凍すり身誕生  ところが、昭和34年から35年にかけて北海道立水産試験場の西谷喬介先生たちのグループが、鮮度の良い状態で水晒し、脱水を行ったスケトウダラの晒し身に、冷凍によるタンパク質の変性を防止する目的で、砂糖とリン酸塩を添加した無塩冷凍すり身を開発した。  同時期に、京都大学の清水亘、池内常郎(現、京都茨木屋社長)先生らが砂糖と、リン酸塩の代わりに食塩を加…

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かまぼこひと口知識③ 原料魚の変遷

 小田原でグチが使われた理由  それでは何故、小田原でグチが使われたのかというと、グチという魚は、エソ、スケトウダラなどと比較して、鮮度落ちが遅く、長時間の輸送が可能であり、鮮度落ちしても水晒しをすることによって、十分な弾力が得られたからである。  また、水晒しという技術は古くからあったようだが、特殊な場合に限られて使われており日常的には行われていなかったようであるが、小…

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かまぼこひと口知識②

 原料魚の変遷  室町時代の書である、「宗五大草紙」(1528)には「かまぼこはなまず本也、蒲の穂をにせたるもの也。」とあり、かまぼこ原料がなまずから始まったようにとれる記述が多くみられる。  しかし、かまぼこ作りのそもそもは、近海で漁獲される新鮮な原料を用いて作られており、現在広く使われている〝晒〟も行わずにつくられていたために、なまずを原料とした場合には魚臭も強く品質もあまり…

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故郷の「カニまつり」

 歳を重ねると、故郷や旧友が恋しくなるのだろうか。先日、生まれ故郷・広島県呉市吉浦の祭りを数十年ぶりに訪ねてみた。正確には、45年ぶりくらいになると思うが、小学生の頃、記憶に強く刻まれた「吉浦のカニ祭り」。  1年に1度、町中の住民が、一張羅を着込み、普段は静かな町内に、数限りない屋台が立ち並ぶ。子供にとって、まさに夢の二日間だった。    いつも頭の片隅に…

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連載・かまぼこ ひと口知識 ①かまぼこの歴史

 日本でのかまぼこの起源は、定かではありません。  中国大陸から台湾、沖縄と伝わってきたとか、中国から東南アジアを経て、海流に乗って、沖縄、日本に漂着したなどの説がありますが、真偽のほどは全く分かりません。  日本で、はじめて文献に登場するのは、平安時代に版行された「類聚雑要抄」に、永久三年(西暦1115年)に関白右大臣に就任した、源 雅実(50代以上の方なら知っていると思いますが、…

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宇和島じゃこ天、恐るべし

 全蒲のかまぼこ未来会議の席上、いつも話題に上るのが、9月の大阪かまぼこ未来会議で、宇和島の関係者が「かまぼこ業界の将来については、まったく悲観していない。じゃこ天は、不滅です。原料の資源状態に若干の不安はあるもののじゃこ天商売は最高」と、宣言してから、鈴木博晶全蒲会長はじめ沼田廣議長が、しきりに話題に出す。             毎年11月にはじゃこ天カーニバルで宇和島の町は賑わう …

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「坐り」と「戻り」

 かまぼこ製造で、よく聞く言葉に魚肉の「坐り」と「戻り」がある。かまぼこ業者なら、もちろんよく知っているが、一般には、ピンとこないだろう。かまぼこのミニ知識。これを知っていると、かまぼこ好きの間では、ちょっとカッコいいかも。意味は次のとおり。  坐りとは  1、魚肉に食塩を加え、擂潰して、しばらく放置しておくと、あたかも加熱をしたような弾力を呈する現象を「坐り」と呼ぶ。  …

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品評会に思うこと

 現在、第65回全国蒲鉾品評会のガイドを製作中だが、品評会について思うことをひとつ。    全国のかまぼこ業者の中には「品評会に出品しても商売の足しにもならない」と、出品をしないケースがある。いまは廃業してしまったが、東京・浅草にあった名店・蒲長商店の故藤田一丸さんもそんな1人だった。「大層な肩書きの先生方に、評価してもらわなくても、うちは、お客さんに評価してもらって、商品を購入…

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「何でこんなもの買ってきたの」

 東京蒲鉾組合の第6回役員会が先ごろ、築地市場内の厚生会館で開催されたが、直前の雑談で、杉江繁夫組合長が切り出した。  「この間、スーパーで、おでんを買ったら、不味いこと不味いこと。家族からも何で、こんなもの買ってくるのと怒られた」。寒さに誘われ、たまには、おでんでも、と近所のスーパーで、某大手のおでんパックを買って帰ったところ、とんでもない目にあったという。  「もちろん、…

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食べ物には相性がある

 昔から日本酒一辺倒だったが、このところ、ワインに凝っている。といっても、高価な年代ものや、有名なシャトーのものではなく、手軽なテーブルワインくらいにしか手が届かないが、それでも夕食時には、晩酌代わりに楽しんでいる。通が好むといわれる赤ではなく、むしろ、サッパリとした白ワインの方が好みといえば、ワインの初心者であることを自ら白状しているようなもの。    食べ物には、相性というものがある…

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魅力を感じないねり売場

 近所にコンビニ店がオープンした。今、会員になれば開店サービス云々というチラシが郵便受けに入っていた。何もなかった事務所の周囲にも、歩いて2分以内で行ける大型スーパーとコンビニ店が揃うことになった。何とも便利になったものである。店舗間の競合は厳しい今、いつまでも続いてくれることを祈るばかりだ。    さて、話は変わるが、つい先日、その近所にあるスーパーの特設売場に、珍しい商品が並んでいた…

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板わさのない立ち飲み屋

 虎ノ門で仕事が終わったのが、夕方の5時過ぎ。雨の中を、サラリーマンの街・新橋まで、歩いて、馴染みの立ち飲み屋で一杯やることにした。すでに、店内には、先客が数人、カウンターに肘をつきながら、グラスを重ねている。中には、赤い顔をして、すっかり出来上がっている年配客もいる。    燗酒に、煮込み、もつ焼きを4本頼んで、無料サービスのキャベツを齧る。もつ焼きの煙と隣の客の吸うタバコの煙に燻されなが…

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厳しい選択の時代

 先日、神楽坂の街を散歩していたら、人の輪ができている。何かと、近づくと、お客さん各自の要望に合わせて、目の前でデザートを作り上げる店で、テレビでも大きく取り上げられ、大人気なんだそうだ。    そこで、30年以上前の出来事を思い出した。故金子喬一さん(佃權前社長)が組合長をしていた時代だったが、東京・数寄屋橋のある和食店で、東京蒲鉾組合の役員合同会議が開かれた。    宴もたけ…

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手付けと機械づくりのかまぼこ

 手付けの板かまぼこと、大量生産の板かまぼこと、どちらが本当に美味しいのか。違いがないのなら、機械でできるものをわざわざ手間隙かけて手作業でつくることはない。販売価格だって格段に違う。これまで、明確な理由を聞いたことがないが、業界内では、あたかも手作りが上等で機械によるものは下等というような風潮がある。  生さかなを手作りでつくる技術こそ、職人技の極致であり、究極の美味しいかまぼこが生み出され…

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