かまぼこひと口知識19 あご野焼き

 日本海側、山陰地方の名産かまぼこと云えば、鳥取の豆腐ちくわ、島根のあご野焼、山口仙崎・萩の白焼きかまぼこが、直ぐに浮かんできます。昨日に引き続き、今日は、あご野焼について話したいと思います。



 島根県が名産の野焼ちくわは、主にトビウオ(近海で漁獲されるホソトビ)を原料として用いる。トビウオの地方名が〝あご〟であることからあご野焼とも呼ばれる。


 野焼かまぼこの起源には確証はないが、伝承によれば命名者は、時の松江城主であった松平治郷であったといわれている。また、野焼きの語源としては、旧幕時代の城下町の低い街並みでは、「焼きかまぼこ」は屋内で焼くことはなく、戸外で焼くことが多かったので、野焼きと呼ばれたと伝えられている。



 製法としては、生鮮なトビウオの魚肉に食塩、調味料を加えて擂り上げて作られる。トビウオは坐りやすく、戻りにくい魚種の代表であるため、野焼きのように大型で、長時間加熱する製品には火戻りを起こさず打って付けだっだことから、トビウオが野焼きの原料として使われた。



 また、戦前は地伝酒といわれる地元で製造される酒を使い野焼ちくわ独特の風味を持たせていたが、戦時中のコメの統制により地伝酒の製造が途絶えたため、終戦直後はみりんや焼酎で代用していた。しかし、近年、島根県立工業技術センターと地元業者の努力により地伝酒が復活した。この地伝酒により魚肉本来の味と香りが相俟って極上のちくわとなっている。食べ方は、好みの厚さに輪切りにして、ごはんのおかずや酒のつまみとされる。お茶が盛んな出雲地方の特別な食べ方としてはお茶漬けにも利用される。

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