かまぼこの一口知識12 「みりん焼かまぼこ」「なると巻」

 前回に引き続き、名産かまぼこについて話したいと思います。

 みりん焼かまぼこ

 福井県敦賀地方を主産地とする名産品で、大正末期から昭和の初めにかけて生産され始めたといわれている。その作り方は、すり身を塩摺りした後、調味を行う際にみりんを数%以上加えて板付け成形し、いったん蒸したのち、さらにかまぼこ表面にみりんを塗り付け焼き上げる、蒸し焼きかまぼこの仲間である。


 かまぼこの身にもみりんをたくさん加え、表面にも塗ってから焼き色を付けるので、赤褐色の焼き色を呈するさわやかな香ばしさとみりんの風味が特徴の製品である。古くは、地元で水揚げされるエソ、コダイ、カレイやトビウオを原料としていたが、漁獲の減少とともに以西物のグチやエソが主体となったが、現在では、安定して供給されるスケトウダラなどの冷凍すり身が主に使われている。食べ方としては、板かまぼこと同様に、わさび醤油でそのまま食され、焼の香ばしさとみりんの風味が楽しめる。


 余談ですが、福井県の隣の石川県には「焼はべん」なるかまぼこがある。この「はべん」とはどんなものかと、以前に金沢の業者に聞いたところでは、石川県では、かまぼこのことを「はべん」というとのことであった。かまぼこの呼び方も地方色があるものだと知ったわけです。今後も、各地域でのかまぼこの呼び名も折に触れて紹介してゆきたいと思う。

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 なると巻

 なると巻の起源ははっきりしないが、江戸時代に出された蒟蒻百珍(こんにゃくひゃくちん)に「鳴門」(写真参照:国立国会図書館所蔵資料より引用)が記されている。


 一方で、焼津の業者の明治期の売掛帳に名前が見られることから、明治期にはすでに製造がされていたようである。なると巻は戦後の製造機械の開発により、普及したといわれている。それ以前には、手作業により細々と作られていたが、昭和20年代後半の渦巻き用の成形機の導入、昭和30年代後半の蒸煮過熱への変換、さらに昭和40年代後半のすだれ巻から加熱までの装置の連結によって、生産量は急速に増加した。


 なると巻の生産量の多くは、静岡県焼津地区を中心に製造され、一時期、全国のなると巻の生産量の90%を生産していた。当初、なると巻はグチ類などの生鮮魚を使って作られていたが、現在は、スケトウダラやイトヨリなどの冷凍すり身が使われている。


 食べ方としては、うどん、ラーメンやチャーハンなどの具材として業務用の使われ方が多いが、最近では、おでん、炒めものなどの材料として家庭でも使われている。


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