業界の繁栄なくして企業の繁栄なし

サッカーJリーグを立ち上げた川淵三郎キャプテンは、先ごろ出演したテレビ番組で、イタリアセリエAに移籍して自身の夢を実現した本田圭佑選手について「Jリーグを立ち上げた20年前、サッカーの本場、それも世界一の強豪クラブと称されるACミランのエースナンバー10を背に日本人がピッチに立つ場面があることなど想像さえしなかった。100年経っても無理だと思っていた」と、本田選手の偉業を称えた。


 この20年、観客動員に苦しんだ時期もあったし、経営不振に陥るチームもあったが、関係者の血の滲むような努力の甲斐あって、わが国のサッカー界は、目覚しい発展を遂げた。本田選手が石川県星陵高校から名古屋グランパスに入団した時の年俸は450万円。それから9年…。彼の年俸は、5億円を超えた。まさにサッカードリームの実現だ。


 本田選手の成功は、サッカーが人気プロスポーツとして成立するようになったことを抜きには語れない。野球選手にしてもプロ野球という業界が存在していなければ、巨額の富や地位を手にすることはできない。個人の努力の多寡ではなく、属している業界が人気スポーツか否かで、与えられる環境は大きく変わる。人気のないスポーツで仮りに世界一になったとしても手にする報酬は、微々たるものだ。


 ゴルフも人気スポーツの1つだが、日本ゴルフ協会の男子トーナメント数は、減少の一途を辿っている。バブル時代には、年間44あった試合数が昨年は、25にまで激減している。当然、選手たちの獲得賞金は少なくなってしまう。今になって、ゴルフ界は、選手の教育や、講習会、そしてスポンサー探しに躍起だそうだ。


 川淵キャプテンは「男子ゴルフ選手の態度には問題があった。ファン、スポンサーに対するサービス精神の欠如を私自身も何度か目にしたし、嫌気の差したスポンサーが降りたという話も聞いた」と斬って捨てた。さらに「プレーさえ、うまくやれば良いと勘違いしている選手がいるが、そうではない。誰が、自分たちの賞金を出してくれているのか、誰が自分の生活を支えてくれているのかを考えれば、人気選手ほど、ファンに対する態度、競技の人気獲得のための活動にも積極的に参加すべきだし、しなければならないと感じるはず」と指摘していた。


 選手の中には、あたかも自身の実力のみで地位、名誉、賞金を獲得していると錯覚している人もいるようだが、そんな舞台を作り上げてくれた先人、陰から支えてくれている多くの存在を忘れてはならない。個人の力など、たかが知れている。


 鈴木博晶全蒲会長は、ことしの年頭所感の中で「業界の繁栄なくして企業の繁栄なし」という言葉を残している。
かまぼこ業界は、伝統産業であり永い歴史の中で、先人たちをはじめとする様々な関係者の汗と涙が流され、今日の地位を築いてきた。先人たちの艱難辛苦は、Jリーグを根づかせたサッカー関係者以上のものがあったことは、想像に難くない。


 経済環境が厳しい今でも、商品が順調に売れ、経営がうまくいっている企業があったとしても、それは、決してその企業の力だけではないし、現経営陣や社員だけの力で実現できているわけではない。アベノミクス、2020年の東京オリンピック効果の追い風に乗って、謙虚に、真摯に、業界活動に取り組み、かまぼこ業界の歴史に新たな繁栄の1頁を加えようではないか。








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この記事へのコメント

  • デフレトンネルを抜け出せない業界

    良い魚の原料を使い、本当の美味しいかまぼこを消費者に奉仕するのが本来の職人天職です。
    安売りしか出来ない業界、美味しくない商品しか作れない業界で有れば何時迄もデフレの世界しか居られない‼︎
    2014年02月03日 22:11

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