かまぼこひと口知識②

 原料魚の変遷

 室町時代の書である、「宗五大草紙」(1528)には「かまぼこはなまず本也、蒲の穂をにせたるもの也。」とあり、かまぼこ原料がなまずから始まったようにとれる記述が多くみられる。


 しかし、かまぼこ作りのそもそもは、近海で漁獲される新鮮な原料を用いて作られており、現在広く使われている〝晒〟も行わずにつくられていたために、なまずを原料とした場合には魚臭も強く品質もあまり良くなかったという記述もある(本朝食鑑九(1695)。


 時代は下って、江戸時代になると、近海で獲れる様々な白身魚を原料としてかまぼこは作られた。守貞謾稿(もりさだばんこう):(1837~53)によると、タイやヒラメを良とし、京阪地域ではハモ(最上級)も使われた。江戸では、トラギス(最上)、ムツやイサキなどが使われ、京阪及び江戸の両地域ともに、並物にはフカ(サメ)を使用したと記されている。


 明治になると、東シナ海において汽船式のトロール漁業が開始され、グチ類、エソ、キダイなどが漁獲され始めた。当時、グチやエソは利用価値の低い魚であったが、多量に漁獲されたために、関西のかまぼこ業者がこれに目をつけかまぼこ原料として利用するようになった。

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 一方、関東、特に小田原では相模湾を中心に、近海で獲れるオキギス(ギス)、トラギス、ムツ、イサキなどを主体にかまぼこを製造していたが、相模湾でのこれら原料資源の減少に伴い、小田原かまぼこは存続の危機に瀕した。しかし、東シナ海で大量に漁獲される(以西物と呼ばれた)グチを利用することにより危機を脱した。


 また、中国・四国地域では古くから近海のエソを原料としてかまぼこを作っていたが、近海物の漁獲減少により、以西物に頼らざるを得なくなった。









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