「坐り」と「戻り」

 かまぼこ製造で、よく聞く言葉に魚肉の「坐り」と「戻り」がある。かまぼこ業者なら、もちろんよく知っているが、一般には、ピンとこないだろう。かまぼこのミニ知識。これを知っていると、かまぼこ好きの間では、ちょっとカッコいいかも。意味は次のとおり。


 坐りとは

 1、魚肉に食塩を加え、擂潰して、しばらく放置しておくと、あたかも加熱をしたような弾力を呈する現象を「坐り」と呼ぶ。

 2、この坐りは、タンパク質が均一に分散し、均質な網目構造をとったときに、この網目の中に水分が保持され、これがクッションのような働きをして、強い弾力を引き出す。

 3、最近の研究では、高温坐りが起こるのは、魚肉中のトランスグルタミナーゼという酵素が働いて、タンパク質の架橋反応を促進するためといわれている。

 4、坐りの程度については、魚種により大いに異なっている。




 戻りとは

 1、50~70℃の温度帯で、加熱をすると弾力が極端に低下する場合や100℃を超える温度で加熱した場合に、一度形成されたタンパクの架橋が何らかの理由によって破壊され、弾力が著しく低下する場合があり、これを「戻り」と呼ぶ。とくに、50~70℃(60℃)の温度帯での戻りは、火戻りと呼ばれる。

 2、50~70℃の温度帯での戻りは、高温で働くある種の酵素によって引き起こされることが、明らかにされている。

 3、戻りの程度も魚種によって、大いに異なっている。

 4、100℃以上の加熱により弾力を失うこともある。これは、擂潰中に巻き込んだ空気の膨張や水蒸気圧などにより、網目構造を破壊するためと考えられている。









この記事へのコメント

かず
2017年02月05日 18:19
こんにちは。
かまぼこについて勉強しているものです。
100℃以上の加熱で弾力を失うことを初めて知りました。
もし差支えなければ、その論文か文献を教えていただけないでしょうか。

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