連載 東蒲組合と私④ 輸送冷凍技術の発達が東京業者を窮地に

 東京のかまぼこ業者は、実に微妙な立場に置かれている。地方から見れば、1000万人を越えるマーケット人口を抱え、常に人通りが絶えない一大消費地ではある。たまに、地方から上京するかまぼこ関係者は「東京の人波を見ていると、本当に羨ましい。うちの前の通りなど、人っ子1人いない。田舎で、商売を維持してゆくのは大変だ。地方は、ますます寂れて行く。東京が羨ましい」。


 なるほど一面では、正解だが、東京とて、決して安泰ではない。人口の少ない地域の企業は、生き残りをかけて大都市圏への攻勢を強める。危機感を持つ行政も補助金の交付など全面的なバックアップ体制をしいて、業者を援助する。地方からのあの手この手のキャンペーン、県産品の売り込みイベントで攻勢をかけられ続ける東京業者。


 一方、東京の業者は、その日その日の商売に必死で、地方の攻勢に対抗する何ら武器も持っていない。輸送や冷凍技術が遅れていた時代には、東京の業者には、地の利があったかもしれないが、今や、連日連夜、地代が安く、人件費の安い地方から大挙して押し寄せる安価な商品と対抗しなければならない。加えて大型量販店の乱立で、商店街は寂れるばかり。個人店の経営は、ますます厳しい環境に追いやられる。


 冷凍すり身が全国に普及する昭和44、45年頃までが、東京業者にとって最も良い時代だったのではないか。物流、冷凍保存の発達で、東京の業者が持っていたアドバンテージは、徐々に失ってしまった。以前、座人閑話のコラムでも取り上げたことがあるが、かつて東北は、雪に埋もれた遠い遠い僻地だった。ところが、いまや、電車で2時間もかからない。仙台や、新潟は、眼と鼻の先である。ごく近い将来、東京からわずか4時間足らずで、北海道の地を踏む日が目前だ。


 長い国境のトンネルを抜けると、そこは雪国だったと、川端康成が「雪国」で描写した越後湯沢など、今や通勤圏である。
 東京と地方の格差はほとんどなくなった。家賃、パート賃金、駐車場等々、地方よりも格段に嵩むことを考えれば、東京は製造業者にとっては、むしろマイナス面が多いのが実情でもある。まさに、待ったなし。東蒲組合は何らかの抜本的な対策が求められている。


 最近の地方の動きを見ると、それぞれに地域活性に懸命だ。舞鶴は、舞鶴おでんを立ち上げ、地場産品のPRに注力する。さらに1000万円の補助金を受け、5月から、かまぼこ作り体験施設をオープンさせ、子供たちや主婦に参加を呼びかけ、かまぼこを身近なものとして受け止めてもらえるよう働きかけている。長崎では、新名産として、ちゃポリタンを開発、テレビ、新聞で取り上げられ、全国区の認知度を獲得しつつある。また、市長を国王に就任させ、長崎かんぼこ王国を発足させ、1年で8億円も、ねりマーケットを拡大している。


 被災地・宮城では、紀文食品と共同で、7月7日を笹かまの日に設定、笹かまぼこの拡販キャンペーンを展開する。富山では、富山の酒とかまぼこフェアを年2回、東京・有楽町の交通会館で開催、先日は、東京の新丸ビルで「かまぼこ大学」を開催するなど、首都圏への売り込みに余念がない。新潟では、この春、原料視察として、タイ国に組合の視察事業を実施した。東京とよく事情が似ていている大阪も、つい先日、大蒲青年会創立50周年記念式典を実施、記念誌を発刊する一方で記念講演会も行った。


 これらは、ほんの一例だが、こうした活動を見るにつけ、昨今の東京業界の活動は、以前に比較すると停滞していると思う。
 執行部の若返りをきっかけに若い発想で、現状を打開するアイデアを捻り出して欲しいところだ。










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