あれこれ思い浮かぶ年の瀬

 ある地方の重鎮から、10数年前に新聞に掲載した写真のネガが残っていないかという問合わせの電話が入った。随分、久しぶりに聞く声で、すぐに判断できなかったが、名前を聞いてすぐに思い出した。かつては、いろいろとお世話になった方だったが、最近では、一線を退き、拝顔する機会もなくなった。


 「俺もあと何年生きられるか、わからないから、葬儀用の写真を用意しておきたいと思って…」と、冗談なのか本気なのか、いささか人を食った人柄を知るだけに、その対応に困ったが、とりあえずは、探してみますとの返事をして、電話を切った。


 その後、2、3日かけて、保存写真を入れている袋などを探してみたが、なかなか見つからない。デジカメと違ってプリントした写真なので、新聞に使用しなかったものは、いつの間にやら、どこかに散逸してしまっている。かなり念入りに探してみたが、結局、出てこなかった。


 後日、この経緯を説明しながら、ご子息に、お詫びを、ご本人に伝えてくれるようお願いしたら「大丈夫ですよ。あの親父、まだまだ、くたばりません。いまも、お袋と海外旅行へ出かけていますよ。先日も、今度は、世界一周旅行だなんて、喜び勇んで申し込んでいましたよ。当分、大丈夫です」と大笑いしていた。


 10年前に、海外旅行を共に楽しんだ刎頚の友がことし亡くなり、いままた、親友が床に臥しているという話も耳にした。そんな環境が、「写真を…」との電話をかけさせたのかとも想像するが、再会した折には、また豪放磊落なあの笑顔を見せて欲しいものだ。


 業界の発展に尽力された方々が、健在で、後進たちの奮闘振りにいつまでも、睨みを利かせて欲しいと思う年の瀬だ。





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